株式会社インデペンデンスシステムズ横浜

システム開発エンジニアの西田五郎が運営しております。Raspberry Pi や Arduino その他新規開発案件のご依頼をお待ちしております。

Raspberry Pi

Raspberry PiのPL2303内蔵コンソールケーブルのWindows8.1の対応について

投稿日:

Raspberry PiのコンソールケーブルでProlific社のUSBシリアル変換チップのPL-2303を内蔵している製品について、Windowsのバージョンの対応状況についてです。

まず、Raspberry Piのコンソールケーブルを探すと今現在Prolific社のUSBシリアル変換チップのPL-2303を搭載したケーブルをよく見かけます。実際に私も持っています。そのケーブルの搭載チップには少なくともPL-2303HXというチップとPL2303TAというチップがあるようです。

以下の製品はPL2303HX内蔵です。

実物は以下です。
concable1

以下の製品はPL2303TA内蔵です。
USB to TTL Serial Cable – Debug / Console Cable for Raspberry Pi

実物は以下です。ボディ部分は白く見えますが薄い青色です。1本だけ購入しましたが、送料に$23.13かかりました。
concable2

見た目はUSBのボディ部分の色が違うだけで、そのボディ部分の大きさも同じです。ここで問題となるのは最新のデバイスドライバではPL2303HX内蔵の場合はWindows8.1では使えないということです。念のためですが、上のAmazonの商品ページではそのことについてきちんと明記されています。詳細はよく分からないですが、模造品問題があったようでその対応のためということもあるのかもしれないです。

それで、Windows8.1でRaspberry Piのコンソールケーブルを使用したい場合にどうするかということです。すいません、まだWindows10では使っていないので、Windows8.1に限定します。(※もちろんコンソールケーブル自体を使わないでディスプレイを使うという方法もあると思います。)

・PL2303TA内蔵のケーブル購入
これが普通の方法です。私もまずは上記のadafruitで買いました。但し、adafruitでも今現在は品切れ状態のようで探してもこの青色のPL2303TA内蔵のケーブルはなかなか見つからないようです。

・他のメーカ製チップ内蔵のケーブル購入
これも普通の方法です。USBシリアル変換のチップのメーカとしてはFTDI社も有名だと思います。以前にも書きましたが、例えば以下の製品があると思います。
FTDI USBシリアル変換アダプター(5V/3.3V切り替え機能付き)

実物は以下です。
ftdicable

例えば以下に使い方がありましたが、このようにWindows8.1でも使えました。
RaspberryPiのシリアル接続

どうもFTDI社のチップ内蔵の製品は、Prolific社のPL2303チップ内蔵と比較して価格が高いようです。1本ぐらいで購入するのであればさほど問題でもないかもしれないですが。

・古いバージョンのデバイスドライバでPL2303HX内蔵のケーブルを使用
強引にWindows8.1上で古いデバイスドライバを導入する方法です。この方法が使えるらしいということでやってみましたが、実際に何とか使えました。(※このようにすれば何とか使えましたという例です。申し訳ありませんが、個別にサポートは出来ません。またこのページを見たということで、メーカやショップへの問い合わせはお控え頂ければと思います。)

PL2303HX内蔵のケーブルをWindows8.1で普通に導入した場合のデバイスマネージャの状態が以下です。黄色の!マークになっています。またプロパティで確認すると、「このデバイスを開始出来ません。(コード10)」「存在しないデバイスを指定しました。」となっています。
0001
0002

ここからです。まず古いデバイスドライバをインストールします。本家Prolific社のページからもダウンロード出来ると思いますが、分かりやすいのは以下の秋月さんのページです。
USB-シリアル変換ケーブル スケルトンの質問と回答
私の場合は、PL2303_Prolific_DriverInstaller_v1.5.0.zip 2011.10.24をダウンロードして解凍しました。解凍したファイルのPL2303_Prolific_DriverInstaller_v1.5.0を実行してインストールしました。(※v1.5.0を選択した根拠は特にありません。古いバージョンだとどうだろうかということです。)

ケーブルを接続して、以下のように古いドライバに変更します。
デバイスマネージャのCOMポートからドライバーソフトウェアの更新へ進みます。
WS000020
下側の「コンピューターを参照してドライバーソフトウェアを検索します」へ進みます。
0006
続いて下側の「コンピューター上のデバイスドライバーの一覧から選択します」へ進みます。
0008
ここで最も古いバージョン:3.4.25.218[2011/10/07]を選択します。これでドライバーソフトウェアのインストールが始まります。しばらくかかりました。(※私の場合は、v1.9.0もインストールしてしまったので表示されています。)
0004
無事に完了しました。
0005
0006
実際にRaspberry Piに接続してTeraTermからコンソールが使えました。
IMG_0592

ケーブルを再接続してまた使えなくなった場合は再度デバイスドライバーのバージョンを下げれば何とか使えました。これでしばらくは古いコンソールケーブルも使えそうです。

今回はここまでです。

以下はAmazonの関連商品です。


AdSense

AdSense

-Raspberry Pi

執筆者:

関連記事

温度センサADT7410(その1)i2C通信とは

温度センサのADT7410を使ってみます。ADT7410はアナログ・デバイセズ社の製品ですが、実際には以下の秋月さんのモジュールを使います。 ADT7410使用 高精度・高分解能 I2C・16Bit …

Raspberry Piでタッチアプリ開発(その3)Kivyでレイアウト・ボタン作成

Raspberry Piでタッチアプリ開発の3回目です。前回はKivyの導入について書きました。今回は具体的なレイアウトとボタンを配置してみます。以下のレイアウトについて順番に書きます。Kivyでのレ …

Raspberry Piでタッチアプリ開発(その1)ハードウェア構成・開発環境等

Raspberry Piで簡単なタッチアプリを開発する手順について書きます。もちろんですがこれからの手順は一例です。他にもいろいろな方法があると思いますので必要な場合は最適と思われる方法を検討して選択 …

Raspberry Pi 3でのコンソールケーブル利用と初期設定

Raspberry Pi 3 でコンソールケーブルを利用する方法と初期設定についてです。 以下のページ等で今までこのテーマについて書きました。 Raspberry Piをモニターとキーボードなしで導入 …

Raspberry PiでIoT(温度・湿度・気圧データ編 その3)データ表示とグラフ表示

Raspberry PiでIoT 温度・湿度・気圧データ編の3回目です。前回までで、Raspberry Piから温度、湿度、気圧データをWebサーバへ送信してそのデータを蓄積出来るようになりました。今 …