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フリーランスとして独立する前に考えるべき現実とリスク対策


株式会社インデペンデンスシステムズ横浜の西田五郎です。
お世話になっております。

前回以下で、フリーランスの準備について書きました。実際の問題として思った通りにならないということがありますのでその場合の対策は事前に必要です。今回はそのフリーランスの現実とリスク対策について書きます。
フリーランスとしての始動 ー 開業届と準備

どうしてもフリーランスの「エンジニア」という内容ですが、その他の業種にも通じる内容になっていると思いますので、ご了承下さい。

フリーランスという働き方は自由ですが、現実には「自由の裏側」に常にリスクがあります。
独立を考えるとき、多くの人が最初に思い浮かべるのは「やりたいこと」や「自分の理想的な働き方」ですが、最初に整理すべきはそこではありません。
現実的に 生活を維持できるか収入を確保できるか、この2つです。

1. 貯金はいくらあって、何か月生活できるか?

独立した瞬間から、会社員時代の「毎月の安定した入金」は止まります。
そのためまず確認すべきは、「貯金で何か月持つか」です。
一般的には、最低でも 6か月分の生活費 があると安心と言われます。
家賃・食費・保険・通信費・税金をすべて含めて試算してみると、想像より多くなるものです。

この金額を明確にすることで、「焦らず営業できる期間」が見えます。
逆に言えば、この期間を超えて収入が途絶えると、すぐに厳しくなります。

2. やりたいことより、「今すぐ契約できる」仕事があるか?

理想的なプロジェクトを待っていても、生活は止まりません。
特に最初の1年は、やりたいことより「受けられる案件」を優先する必要があります。
現実的な選択肢のひとつがSES(準委任)契約です。

SESは、自分のスキルを市場で評価してもらいながら、安定した報酬を得られる形式です。
「自由度は低いが確実に生活を立て直せる」ルートとして、多くの独立エンジニアが通ります。
ここを「自分が一時的に身を置ける場所」として現実的に捉えることが、リスク管理の第一歩です。

(※但し、古臭い派遣勤務みたいな点が多いのが事実で案件によっては何のためにこんなことやっているのかなという状況にもなります。)

3. 「やめる」という選択を想定しておく

フリーランスを続ける中で、「思ったより合わなかった」「収入が安定しない」と感じる瞬間は誰にでもあります。重要なのは、「やめる場合どうするか」も事前に考えておくことです。

  • 生活費の残りが○か月を切ったら、再就職活動を始める
  • 1年以内に黒字化できなければ、法人化や業態変更を検討する
  • 一時的にSESや派遣に戻ることも選択肢に入れる

「やめる選択肢」を持つことは、逃げではなく戦略です。
リスクを想定しておくことで、心の余裕を確保できます。

4. 自分のニーズを見誤らない

「なぜフリーランスをやりたいのか?」という問いに対して、
スキルアップや自由といった表向きの理由だけでなく、本音のニーズを見つめ直すことが大切です。

  • 誰にも縛られず、自分で判断したい
  • 納得できる仕事をしたい
  • 経済的に自立したい

この「自分のニーズ」を理解していれば、途中で揺らいでも立て直しができます。
逆にここが曖昧だと、最初のトラブルや収入減で迷いやすくなります。

まとめ

フリーランスとして独立する前に考えるべきなのは、夢でもスキルでもなく、「生活」「契約」「退路」の3つです。

貯金で何か月持つか、
今すぐ取れる案件があるか、
ダメだったときにどう立て直すか。

この3つを冷静に決めておくことで、リスクを管理しながら続けるフリーランスになれます。
理想を叶えるのはその先で十分です。

追記:フリーランスに関する意見との向き合い方

フリーランスという働き方について周囲に相談すると、「正社員でやっていけない人」という誤解や、否定的な意見が返ってくる場合があります。
これは、会社員という枠組みの中でしか働き方を考えられない人にとって、独立という選択が想像しにくいだけであり、フリーランスとしての価値や能力とは関係ありません。(結構うんざりなことがありました。)

大切なのは、他人の価値観で判断しないことです。
専門家の助言やAIの客観的な回答は参考になりますが、最終的には自分自身で考え、選択し、責任を持つ必要があります。働き方を選ぶことは、自分の人生の設計そのものです。

また、独立後のリスクとして特に注意すべきなのが、お金の貸し借りです。
身近な人ほどトラブルになりやすく、関係が壊れる原因にもなります。
収入が不安定な時期ほど焦りが出やすいですが、金銭的な問題は自分の管理と努力で解決するという姿勢が、フリーランスとしての基盤を強くします。

フリーランスは、自分で決め、自分で動き、自分で責任を取る働き方です。
だからこそ自由であり、同時に現実的な判断力も求められます。
この姿勢を持つことで、長く続けられる独立スタイルが確立できます。