自律走行や自動搬送など、ロボット技術の実用化が進む中で、共通の開発基盤として注目されているのが ROS2(Robot Operating System 2) です。
当社ではこの技術を活用し、ロボットの「頭脳」となるシステム開発に取り組んでいます。
ROS2とは
ROS2は、ロボット開発を効率的に進めるためのオープンソースフレームワークです。
センサー・モーター・カメラなど、さまざまなハードウェアを統合し、モジュール化されたソフトウェア(ノード)同士を通信させることで、複雑な動作を柔軟に実現できます。
名前に「OS(オペレーティングシステム)」とありますが、実際には既存のOS上で動作する拡張ソフトウェアのようなものです。
ノードという単位
ROS2の基本は「ノード」と呼ばれる小さなプログラムです。
それぞれのノードが特定の役割を持ち、連携してロボットを動かします。
- センサーからの情報を取得するノード
- モーターを制御するノード
- 自律走行の経路を計算するノード
これらを組み合わせることで、1台のロボットが環境を認識し、自分で考えて行動できる仕組みを構築できます。
自律走行の基本
自律走行では、主に次の4つの処理を組み合わせて動作します。
- 環境認識: LiDARやカメラで周囲の地図を作成
- 自己位置推定: 現在地をリアルタイムに推定
- 経路計画: ゴールまでの最適ルートを計算
- モーター制御: 計画された経路に沿って走行
これらをROS2で統合することで、安全かつ柔軟な自律移動が可能になります。
当社での取り組み
当社では、ROS2を活用した自律走行ロボットの総合開発に取り組んでいます。
主に以下の分野に注力しています。
- 自作ノード開発: モーター制御ノード(速度指令・車輪制御)/センサー入力ノード(距離センサー・IMU・カメラなど)
- 自律走行系の開発: LiDARベースのマッピング・自己位置推定・経路計画・ナビゲーションの実装
- パラメータ調整: 環境に合わせたチューニング(例:
inflation_radius
など)
今後の展望
こうした開発を通じて、研究用途から商業利用まで幅広いシーンで活用できるロボットソリューションを提供しています。
今後もROS2を軸に、自律走行技術のさらなる実用化に取り組んでまいります。